コロナ感染者数増加とアメリカ(ダウ)相場。4月6日を境に落ち着きを取り戻している。
著者 charttrader編集部 |
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上のチャートの株価は、NYダウに連動する「NYダウ30種ETF(1546)」、棒グラフ緑線はアメリカのコロナ感染者増加数(1日あたり)、棒グラフ赤線はアメリカのコロナ死亡者数(1日あたり)である。
新型コロナ感染拡大によるアメリカの株式市場の混乱は4月6日を境に収まりつつある。
世界経済を動かす震源となるアメリカの株式市場は、新型コロナの感染拡大とロックダウンなどの経済打撃への不安から大きく暴落し、乱高下を繰り返してきた。
それでも、コロナ感染者増加数(1日あたり)の変化とNYダウの変化を時系列で合わせてみると、2020年4月6日(月)を境に落ち着きを取り戻しつつあると言える。
上記チャートの左側の赤枠ゾーンは、アメリカ国内でのコロナ感染者数が日に日に増加していっている期間になる。この時期では、新型コロナウィルス感染者数が2倍になるのにかかる日数を表す倍加日数は2~5日だった。
この期間のNYダウの動きは、中国に始まりイタリアでの感染拡大、世界パンデミックと続く流れからの大暴落からの反動上げをしている。アメリカ国内での感染者数は、2~3日で倍増するというにもかかわらずである。以下に株式相場は先見性を持った指標なのかが分かる。既に中国、イタリアで起きていることをからロックダウンすることで感染拡大に歯止めがかかるという見方が強かったようだ。
それでも、感染者数に歯止めがかからなかったため、3月30日から4月3日までの週は再び下げる不安売りとなった。しかし、土日を挟んで2020年4月6日月曜日、コロナ感染者数の増加が減少。その状況を知ってか月曜日は陽線となり大きな上昇への第一歩となった。
この4月6日以降は、コロナ感染者増加数(1日あたり)は微減しきており、それに伴いNYダウは微増・横ばいとなってきている。
新型コロナ関連で気を付けるべきは、感染拡大の第2波と企業の業績悪化
中国やスペインなどで第2派ともいえる感染拡大もちらほら発覚している。各国が注意をしているので感染爆発とまでいっていないが、もしスペイン風邪のような第2派となれば相場は大きく下がるはずである。その兆候は、アメリカの感染者増加数(1日あたり)でみるよりは、世界に広がる可能性のある国(中国を含むアジア、ヨーロッパ、北米)でのそれを見るべきだろう。
第2派による経済への影響は、コロナ感染人数というよりは都市封鎖・ロックダウンなどによる経済の停止停滞の方が大きいように思える。その為、NYなど感染拡大したエリアでは前回よりも早い段階で都市封鎖を実施するだろう。となると、2020年の3月~4月のコロナ感染者増加よりも早いタイミングで実施される可能性があり、思ったよりも多くない感染者増加でも相場が下落する可能性がありそうである。
もう一つの暴落の可能性は、企業業績悪化が想定以上だったというケースである。これに関しては実際の業績が各企業ごとに読み切れるかということにもよるが、往々にして相場は下げる時は行き過ぎ、上がる時も行き過ぎる傾向がある。
先のチャートにあるように、大暴落時に行き過ぎがあり、反動で上げ、その上げの反動もあり、下げるという振り子のような状況が続いている。業績悪化についても多くが織り込み、そしてその織り込み方は行き過ぎている可能性が考えられる。想定以上のコロナの影響が追加で出てこないのであれば、現在の緩やかなNYダウの上昇傾向が続くのではないだろうか。
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