空売り比率がピークアウト時レベルに近づく。[2020年9月]
著者 charttrader編集部 |
空売り比率が、過去のピークアウトのレベル水域に
2020年9月7日、JPXが発表している「価格規制あり」の空売り比率(25日平均)が32.5%まで落ち込んだ。
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空売り比率とは、1日の取引金額に対する空売りの取引の比率のことである。
空売り比率が32.5%なら、持っていた現物の売り決済が67.5%となる。 空売りには、、現在価格より安値で売れない「価格規制のある」空売りと、個人投資家などによる50単位以内の「価格規制のない」空売りとがあり、前者の価格規制ありが、その後の株価予想をする際には、重要と言われている。
空売り比率に決まった危険水準はなく、どちらかというと直近からの変化ボリュームや変化のスピードなどが重要である。
その「価格規制あり」の空売り比率がコロナ相場依頼で最も低く、しかも2番底を付けようとしている。
一度、2020年6月中下旬にも52%程度まで空売り比率は落ち込んだが、一旦上昇。そして9月7日時点で32.5%まで落ちてきているという流れである。
2年半前、空売り比率30.9%から株価予想は悪化へと傾く
2年半前の2018年1月18日、空売り比率は30.9%という低い値を付けた。
その後すぐ、日経平均は大暴落をしている。空売り比率が低いということは、現物での売り決済の割合が多いことを意味している。
つまり、多くの市場参加者が、買いポジションを利食いして決済をしていることを示している。
現時点では高値を維持している為、買い手が十分にいる状態であるため、直ぐにピークアウトするということではないと言えそうだ。もちろん、新しいトピックスが発生し、急激な売り相場になることはあるが、現段階では十分な買い手がいるという情報もしっかりと把握しておく必要がある。
一番の株価予想タイミングは、この後に「急激な株価の上昇」と「空売り比率の低下」が同時に起きた場合である。
つまり、何かしらのニュースやサプライズによって市場全体を巻き込む買いムードとなりながらも、大口の機関投資家が現物の利確を大量に行っているという状況である。
そのような状況は、個人投資家として空売りで仕掛ける良いタイミングともいえるだろう。
日銀ETF買い入れは、激減。高値圏との判断
1000億や800億もの資金を1日に投入する日銀のETF買い入れは、8月以降9月7日までで、たったの3回しか行われていない。
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流動性確保と急激な暴落を軽減することなどが目的の日銀ETF買い入れは、ある程度は買い入れてもおかしくないなと思えるタイミングは、だれでも分かる。前日より大きく下げているときなどは決まって日銀は買い入れていることが分かるだろう。
しかし、気になったのは8月28日の大きな下げ相場で、ローソク足で見て髭の付いた陰線である。この日は、さすがに日銀が買ってくるだろうと思われたが結果、買っていなかった。
買い入れ条件は公開されていないので、理由は闇の中であるが、日銀として何が何でも下がったら買い支えなければいけないという状況ではないことは明らかである。
国を左右する機関の専門家たちの判断も現在の株価予想としては高値圏であるという判断だと言えそうだ。
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