日銀ETF買い入れチャートの使い方
著者 charttrader編集部 |
※こちらのリアルタイムチャートは現在、未公開の為、ログインしてもご利用できません。
日銀ETF買い入れチャートで、日経平均への影響を見える化
日銀のETFおよびJ-REITの買い入れ金額を、指定する銘柄チャートに重ねて表示することが可能なチャートです。
日銀の買い入れした「金額」を示すとともに、買い入れを実行した「日」を把握することが重要です。
日銀の買い入れ条件は公開されていない為、いつ買うかは基本的には分かりません。
しかし、前日より日経平均が下がった時に買われやすい傾向があると言われています。
1日の買い入れ金額は2020年4月時点では最大2000億円となっており、時期によって購入額は変わりますが、買い入れが行われると予想できるのであればそれは大きな買い支えが期待できることを意味します。
チャート内の最下段の棒グラフは東証1部の全体の売買代金なので、全体のボリュームに占める日銀ETF買いのインパクトを知ることもできます。
例えば、2020年3月などでは全体の売買代金のボリュームによって日銀のETF買い入れ額が変化していることが分かる。
買い入れ対象など、チャートの詳細設定で変更可能化
■銘柄コード
日銀の買い入れグラフとともに表示する銘柄コードを指定できます。1321など日経連動型の銘柄を設定すれば株式市場全体との兼ね合いを把握できます。
■表示期間
営業日ベースで短期の20日~最長1000日まで表示可能です。※下に、1000日に設定した場合のチャートを示します。
■買い入れ対象
メインとなるのは1.ETFですが、J-REITなどを含めて表示することもできます。
・1.ETF
・2.設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF
・3.J-REIT
・4.全ETF(1+2)
・5.買い入れ対象全て(1+2+3)
■買い入れ日、線グラフ、棒グラフの色
自分の見やすい色に変更できます。
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日銀ETF買い入れチャートの見るポイント
チャートで見ることで得られる重要な情報は「時間的変化」です。
ニュースで見る情報はスナップショットと言い、出来事のある瞬間を切り抜いた情報のため、どうしても内容が不十分で合ったり、株価との相互関係が見えにくくなります。その為、ニュース記事の執筆者の見方や考えに偏ってしまう傾向があります。
対して、日銀ETF買い入れチャートは二つの事象があった場合、必ずどちらが先にあったのかが一目で分かります。
そして、買い入れを行った額や集中して実施されているのかなどボリューム感も瞬時に把握できます。
時間的変化を念頭に置いてチャートを見るだけでとても大きな情報を得ることができます。
ポイント1.ETF買い入れ実施の前日を見る
日銀ETF買い入れに興味を持った投資家であれば必ず知っておくべきことでしょう。
日銀がETF買い入れを実行する場合は、かなりの確率で前日の株価が影響していると言えます。個々での株価とは日経平均であったりTOPIXになります。
正確な関係を知りたい場合は日銀データと株価データをエクセルで「相関係数」を算出するだけで分かります。
今回は一目で関係を知ることができるチャートを活かしてみることにします。
表示期間を20日にすればかなり拡大したチャートになります。この状態で、日銀の買い入れ日と前日の株価を見ます。
例えば、前日の終値と買い入れ日の始値に「窓がある」(ギャップダウン)ことが多く見つかります。
また、前日株価が陽線で、買い入れ日が大陰線の場合なども散見されます。
このように、前日の株価を基準に見ていくと日銀のETF買い入れが予想できるようになります。
ポイント2.連続買い入れ回数
日銀は、連続してETFを買い入れることがあります。
もちろんそのような時は、相場が下落を続けているときと言えますが、それでも何回連続で買い入れを実施してきているのか?をチェックすることはとても有用でしょう。
2020年3月4月のコロナ相場での買い入れは膨大なものでしたので除外するとしても、それ以前と直近などを比較しながら「連続買い入れ回数」毎にその後の株価推移を予想することもできます。
これは、個人投資家として一つの指針となります。日銀という金融のプロフェッショナルが日本経済のかじ取りとして、高度な金融分析を踏まえ、長年の金融経験者である総裁を含めて検討し、そして決定した「買い入れ実施」の結果を知ることができるでしょう。
ポイント3.同程度の下落時の買い入れ「あり」と「なし」を比較
日銀の買い入れ条件に付いてはその詳細を公開していません。それはもちろん、公開してしまえば、買い入れ実施を狙ったトレードで利益を上げようとする世界中のトレーダーが狙ってくるからです。
そして、詳細を公開してしまうと、微妙な買い入れ有無の決定判断を行うことができないからです。
それでも日銀の買い入れ条件についてはおおよその予想をすることができます。
過去との比較です。
例えば、直近で大きな暴落があった場合に、その際日銀がETFの買い入れを行っていた場合、同じような暴落が過去になかったかを調べます。そしてその際に買い入れがあったのかなかったのか。
また、直近であまり大きく下げていないにも関わらず、買い入れが行われた場合、同じような小さな下げ相場で買い入れを行っているかどうかを調べます。
この比較によって、どのような違いによって日銀は買い入れ有無を決定しているかが明確になっていきます。
よく見ていると日銀が買い入れ条件を変更したと明らかに分かるケースもあったりします。
この情報はとても有意であり、ニュースを待っていては時がたちすぎてしまうぐらい鮮度の高い情報を知ることもできます。
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この記事の著者
charttrader編集部 |
読み解くことが難しいと捉えられがちな投資情報を、チャートという視覚情報(ビジュアル)に変換することで、より直感的に、より分かりやすく、伝えることをChartTrader(チャートトレーダー)は目指しています。 個人投資家にとって必要不可欠な投資リテラシー「重要な情報への嗅覚」を磨くための肥やしとなる情報を発信していきます。 ChartTraderの提供会社テラスは、国内最大のトレードシステム販売サイトの運営やストラテジークリエーター、自動売買システム開発者、テクニカルアナリストなどを多数抱えたシステムトレード専門企業です。