日銀の「設備人材ETF」は毎日12億円買い入れで合計1.2兆円以上。投資にどう活かすのか?
著者 charttrader編集部 |
日銀買い入れ対象の「設備人材ETF」ってなに?
2016年4月1日から日銀が買い入れる対象となるETFに、「設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF」が加えられました。
略して「設備人材ETF」や「設備投資・人材投資ETF」と言われたり、はたまた「賃上げETF]と呼ばれたりもします。
よくニュースで聞かれる日銀のETF買い入れは、日経やTOPIXに連動するETF(レバレッジやインバースは含まれない)がイメージされがちで、1日あたりで700億円や2020年コロナ相場では2000億円を買い入れることがありました。対して、「設備人材ETF」は1日あたり12億円の買い入れと少額です。
ですが、驚くことに、日銀は、設備人材ETFを2016年4月4日以降、毎日(すべての市場営業日)で12億円ずつ買い入れを行っているのです(2020年6月9日時点)。
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日銀は、設備人材ETFを2016年4月4日から、休むことなく毎日買い入れ
そして、2016年4月から執筆時点2020年6月9日までの間で、合計1.2兆円を以上を買い入れています。
1.2兆円も買い入れられている設備人材ETFの銘柄は、それほど多くありません。
- 1479:ダイワ上場投信-MSCI日本株人材設備投資指数
- 1480:NEXT FUNDS 野村企業価値分配指数連動型上場投信
- 1481:上場インデックスファンド日本経済貢献株
- 1483:iシェアーズ JPX/S&P設備・人材投資 ETF
- 1484:DIAM ETF JPX/S&P 設備・人材投資指数
- 1485:MAXIS JAPAN 設備・人材積極投資企業200上場投信
これらETFのポートフォリオに組み込まれている銘柄は、トヨタ自動車、日本電信電話、本多技研、リクルートホールディングス、ソフトバンクなどいわゆる大手企業がメインです。
確かに、設備人材ETFの狙いである「設備投資や人材投資、そして賃上げに積極的に取り組んでいる企業」と言えます。
つまり、設備人材ETFが、仮に毎日12億円ずつ日銀に買われたとしても、これら大企業は既に、日経やTOPIXなどの構成銘柄であったり、構成比率も高いため、既存の日経・TOPIX連動ETFの買い入れと重複しています。
それでも、設備人材ETFが日々12億円も買われるとなると、何かしらこれらのETFの価格に傾向がでるのではないでしょうか。
実は、設備人材ETFはその運用資産の半分までしか日銀は買い入れを行わず、買えなかった額はJPX日経400ETFを購入
設備人材ETFの運用額はそれほど大きくありません。その為、既に日々の12億円買い入れのうち、買い切れない分はJPX日経400のETFが買われているということです。
このように考えると、JPX日経400構成銘柄に日銀が12億円の買いを毎日、耐えることなく続けていると言えます。ニュースに出てくる日銀ETF1000億円買い入れなどに比べれば額は小さいですが、1週間で500億円ですので無視できない額でしょう。日本株の上位400銘柄には、日銀の安定した買い支えがあると見ることで、長期目線での投資に役立たせることができるでしょう。
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