公開 2020/07/08 / 最終更新 2020/07/08

日本離れしている外国人投資家が唯一買っているのは?

コロナ相場となった2020年2月~6月、非居住者の海外投資家は株式と国債と売り、短期債を買っている。
著者
charttrader編集部

外国人投資家の日本株離れは加速

コロナ相場と言える2020年2月以降6月までにおいても、非居住者である海外投資家は日本株式を約7兆円も売り、日本円から海外資産へと転換している。

リスクの高い株式等投資対象から撤退していると言える。

そして、実は、1年以上先に満期をむかえる国債や社債、政府機関債といったリスクの比較的低い中長期債の資産も、大きく減らしてきているのだ。

その額、株式を大きく上回り11兆7,000億円にも上る。

新型コロナ拡大により世界中の投資家にとっては現金化が必要だったということにも需給面からうなずける。

では、海外投資家は、すべての資産を日本から引き揚げているのだろうか?

実は、「短期債」という資産に関しては、コロナ期間中に5.8兆円も買い増しているんです。

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「短期債」とは、国庫短期証券やコマーシャルペーパーのことで、1年以内に満期を迎える債権のことです。国庫短期証券(こっこたんきしょうけん)は、簡単に言うと短期の国債のことで、満期が2ヶ月、3ヶ月、6月、1年の4種類あり、国の会計の資金不足を補ったり、国債償還の乗り換えの為に使われたりします。コマーシャルペーパー(CP)は、短期の社債のことで、主に30日以内を期間とした企業が事業に必要な資金を調達するために発行されます。

海外投資家にとって、日本の短期債に魅力を感じているというよりは、金余りの状況下において、日本経済を欄監視できないことから株式には手を出せなず、そして日本という国の長期的視点においても魅力がなく、結果として、しょうがなく、短期で小さな利益を得られる短期債へ、一部の資産を一旦動かしていると言えそうです。

資産の取得(買い)と処分(売り)で見れば、コロナが始まってからの5ヶ月で、海外投資家は12.9兆円も日本資産を売っていることを考えれば、3分の1程度をなんとか日本資産として保留しておいたというニュアンスと言えそうです。

このような投資対象の増減から見えてくるのは、海外投資家は、単にリスクの高い株式から手を引いているわけではなく、日本から撤退していると言えそうです。そして、日本の行く末についても長期的予測が立たず上がるとも下がるとも方向感が見えないというの大方のスタンスとなり、結果として短期債が逃げ場となっているのでしょう。


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charttrader編集部

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