公開 2020/06/11 / 最終更新 2020/06/11

裁定売り残、2週連続減少。現物買い戻しが、上昇相場の買いを演じる。[2020年6月1日~6月5日]

6月第1週、裁定取引(アービトラージ)の売り残は896億円の減少
著者
charttrader編集部

チャートトレーダー(ChartTrader):プログラム売買の裁定買い残チャート/NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信(1321)
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裁定売り残が、2週連続で減少。

2020年3月2日以降、急激に積み上がってきていた裁定取引の売り残が5月25日の週から減少に転じ、6月第2週も継続して減少しています。

積み上がった売り残2.6兆円のうち、2週間で約1割の2,349億円が裁定解消により減少しています。

裁定解消は、「先物買い・現物空売り」のセットで構成される裁定売りポジションを手仕舞う取引で、先物を決済すると同時に現物の買い戻しを行う必要があります。この現物買いが2,349億円あったと言えます。

6月12日のSQに向けて解消が進めば、日経平均の上昇は6月12日迄は続くか?

裁定解消は、先物ポジションと現物ポジションを同時に決済する必要があります。現物と先物とのサヤが閉じたタイミングで決済することで利益を得るわけですが、先物には決済期日というものがあり、期限となる月の第2週金曜日の日経平均の寄付値で強制決済されます(実際には精算といいます)。

よく取引される先物は、3月、6月、9月、12月の3の倍数の月が期限のものです。

つまり、直近では6月12日のSQ日が一つの区切りとなりやすいのです。

SQ日の寄付での精算を待たずに決済されることも多く、SQ日に向かって裁定の解消が進むこともあります。

今回はまさにこの状況が起きており、2349億の現物買いに加えて、6月12日に向かってさらに裁定解消による現物買いが増えるでしょう。この需給だけ考えれば、日経平均はさらに上昇するのですが、現在、日経平均は高値圏ということもあり、売り方も多く出てきます。買い方と売り方とのせめぎ合いが焦点となる週となりそうです。


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