5月最終日、上昇規模が大きかったのは医療品業種(第一三共、中外製薬) [2020年5月29日]
著者 charttrader編集部 |
5月最終取引となった2020年5月29日、日経平均は前日比で少し下落しましたが、大きな出来高を伴って上昇した銘柄には特徴がありました。
出来高を伴った上昇は、第一三共と中外製薬
日経平均は前営業日比で-40円安でしたが、週を通しては+1,000円の大幅高となりました。
この大きな上昇相場は、5月15日~19日に大きく買い上げた海外投資家の影響が大きいでしょう。週後半になり、上昇率は鈍化していますが、「医療品業種」に資金が大きく入ったようです。
- 4568:第一三共 上昇率8.52% 上昇規模(上昇率×売買代金)48.3億円
- 4519:中外製薬 上昇率5.76% 上昇規模(上昇率×売買代金)39.9億円
どちらも大きな上昇を伴い、売買代金も上位に入る規模となっています。
この2銘柄は、5月29日に東証市場の中で、注目が高く、多くの投資家たちが上昇に資金を投下した銘柄と言えます。上げすぎであれば週明け6月1日に反落となり、引き続き注目されればさらなる上昇となるでしょう。どちらに動くかは現段階では分かりませんが、マーケット参加者からより多くの注目を浴びている銘柄ということで、デイトレードとしてチェックしてみたり、反落を狙った指値空売り、もしくは更なる上昇を狙った逆指値などのトレードを検討してみるとよいでしょう。
下落が目立ったのは、自動車業種
逆に、勢いがなく日本市場の足を引っ張ったのは、自動車業種でした。
日産の巨額の赤字などトヨタを含め、減収のニュースが目立っていたので納得ではあります。
- 7203:トヨタ自動車 下落率-3.13% 下落規模(下落率×売買代金)-46.1億円
- 7201:日産自動車 下落率-10.99% 下落規模(下落率×売買代金)-27.14億円
下落率で見れば、日産自動車の方が、3倍近く下落しています。ですが、出来高(売買代金)はトヨタ自動車の方が、6倍もありました。この2つの視点を掛け合わせた下落規模(下落率×売買代金)で見ると、トヨタ自動車の方が、より多くの売りが浴びせられたと言えます。
もちろん、これらの大規模な売りを買い拾う投資家がいたわけなので、一概に悪い下落はトヨタ自動車だったとは言えません。下落率ランキングや売買代金ランキングでは決して序列が付けられない銘柄を、下落規模によって比較することで、銘柄選定に役立たせることができます。
※上チャートでは、縦軸に「上昇率/下落率」、横軸に「業種」。そして各銘柄の上昇規模(上昇率×売買代金)/下落規模(下落率×売買代金)を円の大きさで示しています。ひとめ見るだけで上昇/下落した業種や大商いとなった上昇銘柄を見つけることができます。
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