公開 2020/06/18 / 最終更新 2020/06/18

SQ週に、裁定売り残が激減、3週連続。急速に裁定解消が進む。[2020年6月8日~6月12日]

裁定取引(アービトラージ)の売り残が3週連続で減少。裁定解消による計6348億円の買戻し発生。
著者
charttrader編集部

チャートトレーダー(ChartTrader):プログラム売買の裁定買い残チャート/NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信(1321)
※最新のリアルタイムチャートはこちら(ログインが必要です)

SQ週、裁定解消が一気に進み、裁定売り残が3週連続減少。合計6348億円の買い戻し。

過去最高ともいえる裁定取引の売り残が、コロナ相場で積み上がっていたが、やはりSQ日である6月12日に向けて一気に裁定解消が進んだ形となった。

金額ベースで見てみると、コロナ相場で約1.7兆円もの裁定売り残が積み上がっていた。つまり、先物買いの現物売りのセットとなる裁定取引・アービトラージが行われ、まだ決済されていない現物の売りが1.7兆あったことになる。

そして2020年5月25日の週から裁定解消が活発化し、SQの12日の週まで3週連続で続いている。

SQ日では日経先物やTOPIX先物のメジャー限月である6月限が期限を迎える。その為、SQ日よい前に先物の決済と同時に現物の買い戻しを行う裁定解消が行われたと言える。

裁定売り残の解消の総額が6348億円であり、つみあがった1.7兆円の4割程度である。メジャー限月のSQ日だからと言って必ず裁定解消する必要はなく、ロールオーバーといって期先の限月の先物に乗り換えることも行われる。それでも4割の裁定解消が行われたのは、相場の想定以上のゆがんだ上昇の影響が考えられる。

結果として裁定解消を迫られたアービトラージ業者は、上昇相場で裁定売り残の解消を余儀なくされた格好と言える。

SQ日を越え6月第3週に売り残がどう変化するかは重要なチェックポイントだろう。

ちなみに、裁定買い残も、SQ日に向けて2週連続で裁定解消が行われ、合計で2130億円が現物売りされている。裁定売りと裁定買いの両者を合算しても裁定売り解消による買い圧力が4000億円ほどあったことが分かる。


この記事の著者

charttrader編集部

読み解くことが難しいと捉えられがちな投資情報を、チャートという視覚情報(ビジュアル)に変換することで、より直感的に、より分かりやすく、伝えることをChartTrader(チャートトレーダー)は目指しています。 個人投資家にとって必要不可欠な投資リテラシー「重要な情報への嗅覚」を磨くための肥やしとなる情報を発信していきます。 ChartTraderの提供会社テラスは、国内最大のトレードシステム販売サイトの運営やストラテジークリエーター、自動売買システム開発者、テクニカルアナリストなどを多数抱えたシステムトレード専門企業です。


ユーザー成績などの記事
あわせて読みたい関連記事
今、読まれている記事

※ChartTrader+及びRoboTrader+は個人投資家の皆様に向けた株式会社テラスが運営する株価予想やチャートから見えてくる投資情報提供サービスです。 掲載情報の著作権は記事提供元等に帰属します。 日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。 TOPIXの著作権は東京証券取引所に帰属します。 情報の内容につきましては万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。 万一この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社及び情報提供者は一切の責任を負いかねます。