SQ週に、裁定売り残が激減、3週連続。急速に裁定解消が進む。[2020年6月8日~6月12日]
著者 charttrader編集部 |
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SQ週、裁定解消が一気に進み、裁定売り残が3週連続減少。合計6348億円の買い戻し。
過去最高ともいえる裁定取引の売り残が、コロナ相場で積み上がっていたが、やはりSQ日である6月12日に向けて一気に裁定解消が進んだ形となった。
金額ベースで見てみると、コロナ相場で約1.7兆円もの裁定売り残が積み上がっていた。つまり、先物買いの現物売りのセットとなる裁定取引・アービトラージが行われ、まだ決済されていない現物の売りが1.7兆あったことになる。
そして2020年5月25日の週から裁定解消が活発化し、SQの12日の週まで3週連続で続いている。
SQ日では日経先物やTOPIX先物のメジャー限月である6月限が期限を迎える。その為、SQ日よい前に先物の決済と同時に現物の買い戻しを行う裁定解消が行われたと言える。
裁定売り残の解消の総額が6348億円であり、つみあがった1.7兆円の4割程度である。メジャー限月のSQ日だからと言って必ず裁定解消する必要はなく、ロールオーバーといって期先の限月の先物に乗り換えることも行われる。それでも4割の裁定解消が行われたのは、相場の想定以上のゆがんだ上昇の影響が考えられる。
結果として裁定解消を迫られたアービトラージ業者は、上昇相場で裁定売り残の解消を余儀なくされた格好と言える。
SQ日を越え6月第3週に売り残がどう変化するかは重要なチェックポイントだろう。
ちなみに、裁定買い残も、SQ日に向けて2週連続で裁定解消が行われ、合計で2130億円が現物売りされている。裁定売りと裁定買いの両者を合算しても裁定売り解消による買い圧力が4000億円ほどあったことが分かる。
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